研究の背景

魚やヒトをはじめとする地球上の様々な動物の行動は脳・神経系によって制御されています。脳を構成する神経細胞(ニューロン)は、他のニューロンからの情報を樹状突起・細胞体で統合して活動電位を発生し、神経終末から神経伝達物質を他の細胞に放出し(シナプス)、生体の中で早い情報の処理・伝達を行っています(神経伝達)。動物の体の中では様々な内外の変化を感覚器官→感覚神経が脳へと情報を送り、脳内の無数のニューロン間の神経回路の間で生じる神経伝達によってこれらの情報が処理され、適切な行動を起こすための指令を体の各所へと出しています。

ニューロンが持つこのような情報処理の性質は脳の持つ機能の根幹をなすものですが、神経系には更に内外の変化に応じて緩徐かつ持続的にニューロンの電気的興奮性や神経伝達を調節するしくみ(神経修飾作用)が存在しています

脳の中では多様なペプチドが神経修飾作用に関わると考えられていますが、それらペプチドニューロンの多くは脳内広範囲に神経線維を伸ばしてその周囲のニューロンに神経修飾作用を及ぼすものや、脳下垂体に作用を及ぼして、生体内で緩徐なアナログ情報処理を行う内分泌系を制御するもの、さらにそれらのニューロン自身が自分や他のペプチドニューロンによって放出されたペプチド・内分泌器官から放出されたホルモンによって「フィードバック調節」を受けるなどの調節を受けるなど、多様な情報処理様式を示します。

ペプチドニューロンはいわば、

神経系という早いデジタル情報処理と内分泌系という緩徐なアナログ情報処理機構とを仲介するインターフェース(生体内のデジタル<=>アナログコンバーター)

と例えることが出来ます。

私(たち)は、

魚類を材料として、「中枢神経系においてペプチドニューロンが担う情報処理」を単一ニューロン~神経回路のレベルで明らかにすることで生物個体行動・繁殖制御に資すること

を研究目標として、以下のような研究を進めています。

現在進めている研究

(箇条書き部分の文字をクリックすると詳しい内容のページに飛びます)

peptide release