3:有毒フグにおけるフグ毒テトロドトキシンアナログ(TDT)に対する嗅覚感知とその役割

フグは体内にもっている「毒の匂い」に惹かれる?

フグは猛毒テトロドトキシン(TTX)を持つことで有名です。しかし、なぜ彼らは毒を蓄えるのでしょうか?私たちは、フグがTTXにそっくりな「無毒の物質(TDT)」を「匂い」として敏感に感じ取り、それに強く引き寄せられることを発見しました。毒は単なる防御手段ではなく、仲間とのコミュニケーションや餌を探すための大切な「目印」だったのです。

フグはTTXもTDTも自分で作り出しているのではなく,食物連鎖(他の生物を食べること)でTTXやTDTを体の中に溜め込みます。この溜め込むための「フグ毒をもつ餌生物の匂いの目印」としてTDTの匂いを利用しているようです。またフグ体内におけるフグ毒濃度は絶えず一定ではなく,繁殖期に特に高くなります。とりわけメスの卵巣の毒性が一番強くなるのが繁殖直前の時期です。そこで卵巣から漏れ出るTDTの匂いが「成熟した雌の存在を雄に知らせるフェロモン」としても作用しているのではないかと考えています>性行動という観点で,そして「色気と食い気をどうやって選んでいるのか」という点で,私の他の研究テーマとも密接に関係しています

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