卒業研究の研究室選びのためのオープンラボ(資源生物科学科3年生向け),今年は水圏動物学研究室の中の研究グループ別(3つあって、別々にやっています)で見学・説明を受け入れます。
体験ラボ 魚の脳の活動や行動を記録してみよう (阿部)
魚の繁殖行動を制御する新たな方法の開拓を目指して,繁殖行動調節に関わる神経系の働きを,神経細胞の電気活動や細胞内シグナルを顕微鏡観察したり、魚の行動を記録・コンピュータ解析することで調べています。
そこで日常の研究で使用しているテクニックの中から,未体験の学部1〜3年生の皆さんがすぐに体験可能なものを選んでみました(除く分子生物学的手法の内容(他の部屋でもやるでしょうし,操作に時間がかかるので)。いずれもA349室で実施。生物材料や装置の準備に時間が必要なので,希望に応じて日時調整の上で実施します)。昨年用意した内容も参考までにリンクを張っておきます(https://lfbphysiol.com/2024/10/08/taike-lab/)。
- 遺伝子組換えで光らせた脳内ペプチドニューロンを観察してみよう(1〜2時間程度)
遺伝子組換え技術を使って,繁殖行動の調節に関わる脳内のニューロン特異的に蛍光タンパク質(GFP)の仲間が発現するトランスジェニックメダカを使って,脳がどんな活動をしている時に,そのニューロンが活動して,さらにそのニューロンのどこから物質が放出されるのかを高感度カメラと顕微鏡を組み合わせて調べています。その様子を見学・体験します。
- 神経活動を記録してみよう(1〜2時間程度)
本格的な単一神経細胞からの電気活動測定はできるようになるまでにそれなりの修行が必要(それが面白い人にとっては面白いのですが)なので,簡単に学部1・2年生レベルでも体験できるテクニックで,僕らのからだが電気じかけなのを実感していただこうと思います。講義とかで見聞きしたこと,実際にどうやって記録するんだろう?と思っていた人向け。阿部はいろんなことやっていますが,もともとの専門は「電気生理学者」です。
- 生きている魚の嗅覚受容細胞や神経細胞を観察して,一個の細胞だけを染め出してみよう
(1〜2時間程度)
電気生理学の記録技術を応用すると,単一ニューロンの神経活動を記録するための先端を1マイクロメートルくらいにした細いガラス管の中に蛍光色素を詰めておいて,それを生きている細胞の表面に押し当てながら電気ショックをかけることで,蛍光色素をその細胞の中だけに導入することができます。顕微鏡の下で,みるみるうちに一個の細胞の形が染まっていくさまを実感できます。顕微鏡操作を体験しつつ,きれいなものを見てみたい人向け
- コンピュータ制御で魚に餌をやって,そのときの行動を記録・解析してみよう
(簡単な電子工作・プログラミングによる行動実験装置構築体験:半日コース)
詳細は別記事を御覧ください(去年の内容の紹介がいかにあります。https://lfbphysiol.com/2024/08/22/20240823taiken-lab/)。研究として魚の行動を記録するためには,なにかものを見せたり,匂いを嗅がせたり,餌をあげるなどで「人の手の介入」を避けながら環境変化を与えて,そのタイミング前後で魚にどんな行動が起こったかを記録・解析する必要があります。そういうことをしようとすると,刺激を与えたり,行動の記録をコンピュータで自動記録したり,その結果生じたいろんな行動を機械学習技術を使って解析したりする必要があります(この機械学習による行動解析は今ホットな研究分野です)。その入門編として,Pythonによるプログラムをメニュー操作でブロックを組み合わせて作成する方法を体験してもらおうと思っています。行動と最新のコンピュータ解析技術の両方に興味がある人向け。
- 3Dスキャナで魚の型取りしてみよう(阿部と一緒に「新しい・珍しいおもちゃ」で遊んでみたい人向け:2〜3時間程度)
これは現時点ではお遊びですが,(お小遣いで)3Dスキャナを去年買いました。それを使って魚を3Dスキャンできると,コンピュータの中でデジタル動画を作らせたり,3Dプリンタを使って疑似餌をつくらせたりできます。そんなのを阿部といっしょに遊んでみてもいいかなという人向けです。
体験してみたい項目があったら,ぜひ気軽に電子メールhabe@agr.nagoya-u.ac.jpで連絡ください。
阿部Gでの卒業研究に関する説明・見学受入日(事前予約不要)
開催日時は3年生に公開されているTACTに記載の通りですが,これ以外でもあらかじめ連絡をいただければ対応可能です(学会とか会議出張でだめな日もあります)。
教員の研究室での雰囲気はWebを見てただけとか、講義や実習の雰囲気だけではわからないので、ぜひ気軽に話にきてください。会ってお話しましょう!!
場所: 農学部A棟349室(居ないときは341室にいますので声をかけてください)
お話する内容は研究紹介や学生募集ページで紹介されていることの詳細(現在進行形の計画=卒研〜大学院でどんなことができるか)や指導方針・これまでの出身者の進路などで、質問に答えつつおしゃべりしたいと思っています。
追伸
卒研の研究室選び、なかなか迷うところだと思います。
阿部の研究内容、HPやTACTに書いてある資料だけだと硬い・難しそうなこと書かれているようにみえる(ヒトもいるかもしれない)ですが、
魚の繁殖行動に関わる
神経系のしくみをしらべる
という共通テーマの中で、
- 一個の細胞の活動を調べる
- 繁殖行動に関わる感覚系(の調節)を調べる
- 行動そのものをしらべる
と、いろんなレベル・テクニックをつかった研究が、「基礎の基礎」から「応用を視野に入れたもの(こっちはconfidentialなので、仲間にならないと具体的なことは教えられませんが)」までいろいろあります。
研究テーマが自分の興味にあっているかも大事ですが、お互いの相性も大事
見た目、強面&気難しそう(といわれる。まぁ天邪鬼・強情張りなところがあるのは否定しないですけど。だっておぢさんだし(汗))阿部ですが、嫌いなのは,
- いらぬおせっかい
- 余計なことをだらだら喋るのは苦手なので、用がないとほとんど喋らないです(なので同じラボにいても下手をすると私と30分以上会話したことがない人もいるかも)
- 人をあだ名呼びすること
- 親しい人間に対して個人的に呼ぶのは良いことですが,仕事の場であだ名呼びするのは,仲間内でだけを強化して外の世界が見えなくなりますので避けることにしています。だからといって冷たいわけではありません。上と一緒で過剰なベタベタが嫌い。
- マウンティング
- 年取る程ボケてきてますから、それを棚に上げてエラソーなこというのは嫌いです
- 僕よりもより若い皆さんのほうが、記憶力や憶たことを思い出すのも早いですから
- さらに言えば若い皆さんのほうがより新しいものを取り入れる力があります!
- あと年齢を重ねるほど自分の過ちを認めにくくなってきます
- この項目は自らうっかりやってしまいそうなことへの反省を踏まえつつ、我にかえるための宣言です。一緒にやる人が、「これ、どうっすか〜?」、「これ、こうっすよ〜」といってくれることに素直に耳を傾けられるように。見苦しく言い訳をださないように。一日一回、「これ、マウントしてないか?」と自省することにしています
- (半分冗談ですが)コンピュータの機能を活用せずに努力と根性でなんとかしようとすること
- 「手を抜くための苦労」には時間を惜しむべきではありませんが,すこし工夫or勉強すれば省力化・効率化できることを,「(これまでどおり)手作業でやったほうが早い」というのは進歩の敵、と思っています
なので親分に手とり足取り指示を望む方とは相性悪いかもですが、いろいろ聞いてくれれば丁寧に説明します&一緒に未知の世界に挑むことを楽しみたいと思っています。
卒業生に言わせると、「その(説明の)丁寧さが仇になる。もっとざっくり話せばいいのに」らしいですが、そのあたりは私の(職業)人格的な本質だからねぇ。。。

追伸その2
学部卒で就職するか進学するかで迷っているあなたへ。
X上で静岡大学理学部の後藤先生(まえに資源昆虫学研究室でポスドクをしていらした)が、非常に参考になるポストをしていらっしゃいます。
私も同感です(+アルファで名古屋大学には博士課程まで進むひとを経済的に支援する制度が各種あります)。ぜひ読んでみてください。
さらには私のHPの最近の投稿記事を見ると,みなさんにとって興味深い記事があったりしますよ。


